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シングルマザーの暮らし、健康、育児をメインにした雑記ブログです。

【摂食障害】見た目や体重に苦しんだ過去

私は以前病気をしたことがきっかけで、摂食障害という病気になりました。

このことを書くか迷いましたが、私の人生でとても大きなできごとだったので、こういった病気があること、誰でも些細なことがきっかけで、病気になる可能性があることを知っていただきたいと思い、記事にすることにしました。

とてもデリケートな内容となります。
不快な思いをする人もいるかもしれません。
予めご承知おきください。

私は小さい頃から食べることが大好きで、周りの子に比べると少しぽっちゃりしていました。

あまり自分の体型や体重を気にする方ではありませんでしたが、ぽっちゃり体型をいじられて嫌な思いをすることは度々ありました。

高校生くらいになると少しずつ見た目を気にし始め、ダイエットに挑戦するようになりますが、あまり長続きはせず・・。


そんなある日、大学生になった私は、学校の健康診断である病気が発覚し、手術をしました。

本来であれば1週間程度の入院のはずでしたが、術後の経過が悪く、結果的には2ヶ月間入院することに。

その際、治療のため2ヶ月間ほぼ絶食をしなくてはならず、口からの栄養摂取が難しい為、鎖骨から高カロリーの点滴を行なっていました。

口にできるのはお茶や水のみ。

絶食や入院生活は本当に大変でしたが、その後病気は完治し無事退院。

退院したころには、入院した時の体重より4kgほど減っていました。

そして学校に復帰すると、みんなに「痩せたね」と言われ、人生で初めての言葉に、「入院は大変だったけど、痩せてよかった」と少し浮かれていました。

『痩せたね』

誰も悪気があったわけではありません。
思ったことを言っただけ。
痩せて良かったねと喜んでくれただけ。

でもその言葉は私のその後の生活を大きく変えることになります。

当たり前ですが、元の生活に戻ると体重も増えていきました。

「せっかく痩せたのに、これじゃあ、また太ったと思われちゃう」

私は焦っていました。
せっかく痩せたんだから、この体重を維持したい。

私は体重を維持する為の食事管理を始めました。

最初は夕飯のおかずを朝に食べて、夜は置き換えるという方法。
すると少しずつ体重が減り始め、気づいた時には退院した時よりも痩せていました。

「あれ?痩せることってこんなに簡単だっけ?」

その時の私は長い入院生活で食べないことになれてしまっていたため、ダイエットが全く苦痛ではありませんでした。

しかし、少しずつ私の体は悲鳴をあげ始めます。

ダイエットを始めて早い段階で生理が止まりました。
けれども、私はそのことを全く気にせず、ダイエットに没頭していました。

退院時の体重まで痩せると、次は同じ身長くらいのモデルさんの体重を目標にし、さらにダイエットは過激になっていきました。

減っていく体重の変化が面白くて、楽しくてしょうがなかったです。
完全にダイエットハイの状態だったと思います。

そしてモデルさんの体重に達するとまたみんなが「痩せたね」と褒めてくれました。

でもその辺りから、「大丈夫?ちゃんと食べてる?」と人から聞かれるように。

「私はちゃんと食べてるし、大丈夫。足だってモデルさんと比べたらまだまだ太い。もっともっと痩せなきゃ。」


今まで着ていたズボンやスカートはブカブカになってしまったため、ベルトで締めて履き。
椅子に座ったり、ベッドに横になると骨が当たって痛くなりました。

今までは誘われれば友達と、ランチや飲み会に行ったりしていましたが、その頃の私は「用がある」と誘いを断ることが増え、1人で行動することが増えました。

歩いているとすれ違う人に「emiどうしたの?」と心配され、みんなからどのように私が見えていたのかはわかりませんが、驚かれたり、振り返って見る人もいました。

最初は嬉しかった「痩せ過ぎ」という言葉も、だんだん苦痛に感じるように。

その間も体重はどんどん減っていき、異常に寒くて、眠る体力さえもなくなり、いつも疲れていました。

後から調べたら、いつ入院してもおかしくない状態だったようです。

そんな状態なので家族も私の異変には気づいていたと思います。
でも「痩せすぎ」と言われるくらいで、あまり口出しをしたり、何かを強制するようなことはなかったです。
いろいろ問題を抱えた家庭だったので、強くは「言えなかった」のだと思います。

ある頃からどうしても外せない飲み会などあると、みんなの前では普通に食べて、家に帰ると吐くように。

だんだんと食べたい気持ちが出始め、抑えられなくなっていきました。

コンビニで大量に食べ物を買って食べては、太るのが怖くて吐く。

なかなか吐けずに、泣きながら吐きました。

それでも食べることをやめられず、学校を休むことも多くなりました。
毎日下剤の乱用もして、精神的にも身体的にもボロボロで、本当につらい状態でした。

それから少しずつ普通に戻りたいという気持ちが強くなっていきました。

でも痩せることも、普通に食べることもできず、どうすることもできない。
ただ太るのが怖くて大量に食べては吐くの繰り返し。

ある時、学校を休んで誰もいない自宅で、また大量の食べ物を買って食べて吐こうとしていました。

でも、全く吐くことができません。
パニックになり、泣きながら、必死で吐こうとしましたが、全く吐けません。

もう、大量の食べ物が胃に残っていることが気持ち悪く、でももう心は疲れ切っていました。

放心状態で部屋にいると、母が帰宅。

「おかえり」いつも通り振る舞ったつもりでした。

でももう私の心は限界でした。

もうこんな生活やめたい。
普通にご飯が食べたい。
吐きたくない。

「おかえり」と言って母の顔を見た瞬間、心に溜めていたものが溢れ出すように、涙が流れました。

母も何かを察したのか、優しく寄り添ってくれました。

「どうしたの?」という母の問いに、私は大量に食べ物を食べてしまったことだけ伝えました。

すると母は「つらかったね」と私の話を聞いてくれました。

いろんな気持ちから全てを打ち明けることはできませんでしたが、母はわかってくれたようでした。

「少しずつご飯が食べられるように一緒に頑張ろう」母はそう言ってくれました。

ダイエットをしている時は無我夢中でしたが、痩せているとか、太っているとか、そういう言葉ではなく、ずっとありのままの私を誰かに認めてほしかったんだと思います。


それからすぐに全てが元通りになったわけではありませんが、少しずつ少しずつ元の生活を取り戻していきました。

この時以来、私は見た目や体重にこだわることはやめました。
多少痩せてたって、多少太ってたって、心が健康ならそれでいい。
そう思えるようになりました。

ただ・・ふと、この病気に完治や終わりがあるんだろうかと思う時があります。

食べすぎることもあるけど普通にご飯も食べられるし、ぽっちゃりだけど健康だし、それって病気が治ったということなんでしょうか?

どれだけ自分で自分を納得させようとしても、心のどこかでは常にモヤモヤしたものがいる気がするんです。
ありのままの自分でいたいのに、このままではダメな気がしてしまうんです。

あれから10年以上経ちましたが、そういう意味では私はまだこの病気にとらわれているのかもしれません。

いつか本当の意味で、何も気にせず生活できたらいいなと思います。

摂食障害|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省



体型だけでなく性格や人種、考え方や生き方、全て違って当たり前。
それらは一定の基準に当てはめられるものではありません。
自分の価値観で他人を評価したり、批判することなど本来できないはずです。

大学の卒業祝いで友人(男女)らと食事をした時、ある男子たちが面白がって、女子たちの体重を1人1人聞くということを始めました。
ちょうど摂食障害の克服を決め、体重も少しずつ増えていた私にとっては、怒りさえ覚える酷い屈辱でした。

誰でも(見た目に限らず)美しさや魅力を持っています。

ありのままの自分を(どんな自分も)愛して自信を持つことはとても素敵なことです。
私もそうありたいと思っています。

とはいえ、そういつでもポジティブ でいられるわけではありませんよね?
私も自分の理想(ありのままを愛したい)と現実(ありのままを愛せない)にギャップを感じる時があります。

そういう時は、自分の身体や心に耳を傾け、今自分は何がしたいのか、何が必要なのか、『自分の本音を知る』ことが大切なのではないかと思います。

焦る必要はありません。矛盾が生じるかもしれません。でもそれでいいんだと思います。少しずつ、少しずつ、自分が(自然体でいられる)落ち着ける生き方を見つけていけたらいいのではないでしょうか。